【財産の横取りリスク】要警戒!成年後見人でトラブらないための対処法!

日本には、約20万人の成年後見人がいると言われています。
そしてその成年後見人を利用している人がなんと2016年の12月までですでに20万人を超えているのです。

2000年に発足された成年後見制度はいまどれほどの利用率があるのか?これからの老齢社会を考えれば確実に増えてくると想定できます。ところが最近では悪質な後見人に泣かされている被後見人やその家族が増えているという実態もあるのです。
ここでは家族で認知症を発症した場合、悪質なトラブルに巻き込まれないためにどうすればよいのか、その対処方法をまとめています。

成年後見制度のワナ!

親が認知症を発症し、銀行からお金が引き出せなくなった・・・
知的障害が原因で相続の遺産分割協議ができなくなってきた・・・
オレオレ詐欺や布団の押し売りなどの悪徳商法の被害者になっている・・・

子どもが親の財産を使い込んでいる・・・

このような状況に陥った場合、財産管理や身上手続きを家族や司法書士の専門家によって
親の財産などを保護してくれるのが「成年後見制度」です。

2000年に成年後見制度が始まった頃は、9割が家族による親族後見人でしたが、ここ数年では弁護士、司法書士などによる専門職の後見人の割合が7割と高まってきているのです。

専門職の後見人は、弁護士や司法書士の方が多く、後見人の仕事については報酬が高く、割りのいい仕事になっているのです。

このようなことから近年では家族が成年後見を申し立てても、家族ではなくて、家庭裁判所側が一方的に選んできた見知らぬ弁護士・司法書士関係者が後見人となるケースがほとんどなのですが、それにてこの成年後見人トラブルがいま急増しているのです。

たとえば、自分の親が認知症を発症して、お金が引き出せなくなったり、医療や介護の手続きを自分でできなくなってしまった場合は、誰かが親に代わってやってあげられなければ、生活はその時点でストップしてしまいます。

当然、高齢者の一人暮らしなどでは悪徳商法などの標的にされてしまった場合もあります。

そんな時には、すぐに警察や銀行に相談することをお勧めしますが、「地域の包括支援センターや社会福祉協議会に行ってください!」と勧められます。

そしてこれらの施設に相談に行くと・・・
↓ ↓ ↓
ほぼ確実に「成年後継人を見つけるしかありません!」と言われます。
↓ ↓ ↓
次に「手続きのやり方はわかりますか?」と畳み込まれる感じでその場で弁護士や司法書士の電話番号などの連絡先をすぐに渡されたりします。

ですが・・・この場で簡単に応じることは避けるべきです。

青年後見人の申し立ての費用

成年後見人の申し立ては本来、収入印紙を購入して、用意された申立書にチェックマークを入れるなどの内容で2時間ほどあれば書き終えられるものです。

これを弁護士さんに代理を頼んでしまうと日本弁護士連合会で公開している目安が10万円~20万円なのに対して、なんと「申立書類作成手数料」だけで60万円もの高額を要求されることもあります。

申し立てには、このほか認知症であるという医師の診断書が必要でこれは保険の適用外で1万円。
さらには、家庭裁判所が必要とした場合、「鑑定医による診断」を命じられる場合もあり、これが10万円程度かかります。

今あげたものは、成年後見にかかる総費用のほんの一部であり、後見人報酬は別途となります。

親の成年後見人を決めるのは家庭裁判所

家裁は、成年後見人の名簿を弁護士団体や司法書士団体に作成させます。このような団体は、地元の家裁とのつながりが強く、他地域の同業者が後見人に選任されることを好みません。

このため、「自分の知り合いの弁護士などを後見人にしたい」と希望してもほぼ通らないのが現状で、代わりに選任されるのは、名簿に載っている地元の弁護士や司法書士の先生方、ということになるわけです。

「見ず知らずの弁護士を後見人にするくらいなら・・・」と思い、取り下げようとしても事はすでに遅し。いったん家裁に申し立てをしたら、特別な許可がない限り、取り下げることができません。

ですので親に成年後見人が必要と判断した場合であっても安易に申し立てをするのではなく、成年後見制度をしっかりと理解したうえで、もしくは成年後見制度に詳しい弁護士さんに先に相談することをお勧めします。

弁護士にとって成年後見人の仕事は食いぶち稼ぎ

成年後見人の仕事がどれだけおいしいものなのか簡単に説明しておきます。

後見人の報酬額は、家庭裁判所が決めるのですがその額は「被後見人(親)の預貯金に比例する」といわれています。
このため、被後見人の資産が少なかったり、生活保護を受けている方などの場合、専門職後見人(弁護士)の多くが、おいしい仕事ではないので嫌がるわけです。

本来なら、家裁に選ばれた専門職後見人は、ケアマネージャーさんを通じて被後見人はもちろん家族に会って今後どのようなカタチを望まれるのか?を聞いたうえで後見していかなければなりません。
しかし、最近では面会すらしようとしない専門職後見人が増えています。なぜなら、会いに行こうか行くまいが、報酬額になんら変わりがない・・という理由です。

その報酬額というのもどれくらいかというと、簡単に例を出してみるとこうなります。

たとえば、親の年齢が80歳で
普通預金や定期などの合計金額が、3,500万円ほどあり、
親本人がもらえる保険金が、200万円。
ご本人名義の不動産を売却したら、5,000万円になる。

この方が専門職後見人に後見をお願いし、亡くなるまでの後見人に払う費用の概算は、なんと1,048.5万円になるというのが目安になります。しかもそうした報酬の詳細を被後見人の家族が知ることもできないのです。

成年後見人の権限は強力

実際に後見人がついてしまうとどれほどの権限があるかといいますと私たち子どもでさえ、親(被後見人)の資産を教えてもらえなくなってしまいます。

それどころか後見人は、親(被後見人)を介護施設へ入居させたり、家裁からの許可さえあれば家を売ってしまうことさえ、家族の同意を得ずにできてしまうのです。

その一方、親(被後見人)や家族への態度が不誠実だといった理由で解任しようとしてもまず認められることはないでしょう。

ちなみに成年後見制度がはじまった2000年から15年までの16年間で、後見人の解任が認められたのは、約40万件あった後見のうち、約1%で後見人が解任され、約8%が辞任しています。

解任の理由としては、横領となっているのですが、実際に専門職後見人のうち、横領で解任されたのはごく少数で、プチ横領といわるケースも多いとか。
それもそのはず、家裁から辞任を勧告されて本人は、横領したお金を返して辞任さえすれば、罰則の適用を受けないのが実情で、私たち被後見人側からすると驚きと憤りを感じますよね。

悪質な成年後見人の例

よくあるのは、妻が専業主婦で、夫婦の財産のほとんどの名義が夫になっていて、夫が認知症となり、専門職後見人がつくケースです。

普通に考えると夫の財産は、夫婦の共有財産となるわけですが、ここに成年後見人が入ってしまうと、なんと全ての財産が妻の手から奪い去られて、財産がいくらあるのかも教えてもらえず、夫の財産や年金収入から妻の自分の生活費すらも、後見人の言うがままに制限されてしまうのです。

たとえば、母の実家に母を連れていきたい時などの旅費についても後見人に「母の実家にいきたいので旅費をください」と申し立てしても「そんなの行く必要はない!」と断られる娘さん。l
「あんたの生活費に月5万円くれてやる!」といわれた奥さん。

もっとひどいのが、「自分の分の財産をはっきりさせたいのなら、離婚することだな!」なんて侮辱された奥さんもいます。

親(被後見人)にしても私たち家族にしても資産・財産管理のための制度とはいえ、そんなことが許され続けられている国の制度と社会に老親をもつ家族は、不安を感じられずにはいられません。

では、このような事態に陥らないためには、どうすればいいのか?
その対策、対処法がありますのでこちらを参考にしてみてください。

成年後見人トラブルの対策・対処法

今急増している成年後見人のトラブルを回避するためには、「任意後見制度」を利用することがお勧めです。
これは、親が70歳を過ぎたあたりを機に、先に「後見人」を選んでしまうという方法です。

家族や知人などで親しく交際している弁護士さんやお望みの人を先に選んで、公証人役場で公正証書として今から作成しておくことが重要になります。(費用は、5万円ほどです)

とはいいものの「うちはしっかりした息子がいるから大丈夫。後見人はいりません。」という人がよくいますが、これも大きな勘違いであり、成年後見人のトラブルの発端は、親族後見人による親族間の争いからはじまったのです。

大きな資産や財産を保有していると信頼している息子であれ、頼りにしている弁護士さんであれ、額が大きくなればなるほど目がくらむこともあるという現実をしっかり肝に銘じて検討されてみてください。

場合によっては、インターネットなどでも成年後見人に詳しい弁護士さんや司法書士さんに無料で相談できるサイトもありますのでそちらを利用してみるのいいでしょう。

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