どうなのでしょうか?誰もが「人生の最後は、病院ではなく自宅のベッドで迎えたい」と考えるのでは?・・そう思うと自分の親も自宅で最期の看取りを望んでいるかもしれません。
今は病院で臨終を迎えるというのが一般的のようですが、もし自分の親が「自宅での看取り」を望んだら、それは可能なのかどうか、調べてみました。
親はどこで最期を迎えたいか?
何度か話しているうちに親の本音が・・・
親はどこで最期を迎えたいか聞いたこがとありますか?
内閣府で出されている「平成27年度高齢社会白書」に55歳以上の男女に対して聞いた質問でこんな不思議なデータがありました。
それは、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいですか?」と聞いたところ、「自宅」と答えた方が54.6%と最も多く、次いで「病院などの医療施設」が27.7%だったそうです。
しかし、厚生労働省の調べによると、実際に自宅で死亡する人の割合は、なんと12%しかいないというのです。
その理由として考えられるのは、家族間の意思疎通や経済力の問題、在宅専門医や訪問看護師が少ないなど介護サービスなどに問題があるようです。
では、どうすれば「人生の最期を自宅で迎えられるのか?」、そして本当のところ親自身は「人生の最期」をどう迎えられたいのか、親が元気なうちに聞いておくことが子どもの私たちができることになります。
とはいっても、「お父さん(お母さん)は、人生の最期をどこで迎えたいと思っているの?」とは、なかなか聞きづらいものですよね。
だから、お盆やお正月、誕生日に帰省する時に「エンディングノート」をおみやげにして、一緒に記入しながら、さりげなく聞いてみるというのも良い方法の一つです。
実際には、その時の親の病状や家族の状況、かかってくる費用などから選択肢が変わってくることもあるでしょう。
ただし、親の本音を知っているだけで「どうすれば希望に近い形で最期を迎えさせてあげられるか・・・」を家族みんなで考えることができるはずですので親が元気なうちに試されてみるといいでしょう。
希望を叶えるために・・・
最期を迎える場所としては、自宅、病院、介護施設、ホスピスといったところになります。たとえ親がどこを選んだとしてもできるだけ尊重してあげたいと思うのが私たち子どもの本音でもあります。
「最期まで治療を受けたい」と考えているなら、設備の整った医療施設を選んだり、「住み慣れた自宅で最期をむかえたい」というなら、在宅医療と在宅介護サービスを受けることで可能になります。
また老人ホームなどの介護施設を選びたい場合は、地域包括支援センターなどから情報を入手して、「看取りケア」まで対応してくれる入所先を探すことになるのですが・・・。
しかし、いろいろ調べてみたところ、「看取りケア」まで対応してくれる介護施設というのが、まだ全然足りていないというのが現状です。
そのため、国としては「在宅医療」や「在宅介護」の施策を推進しているというのですが、いろいろと課題が多いようです。。
本当に「自宅で最期を迎え、自宅で看取られたい」というのは可能なのでしょうか?
その実態は・・・?
自宅で「親を看取る」ために必要なこと
自宅で親を看取るというのは、そう簡単なことではないようです。親の希望を本当にかなえさせてあげるには、今からきちんと勉強して準備していかなければ、なりません。
実際には、いざ最期を迎えた時、どうしていいかわからずに救急車をよんで、結局病院で息を引き取ることになった・・・という人もいるとか。
さらに、自宅で看取るというのは、こんなこともあるようです。
自宅で看取るということは、主治医が病気の経過を承知していて最期には死亡診断書が発行されるということなのですが、そうではない場合、不審死ということで警察が介入して遺体が解剖されたり、子どもが取り調べを受けたりする可能性もあるというのです。
まず、自宅で親を看取るための準備としては、訪問診療をしてくれる医師や看護師を見つけることから始めなければなりません。
親の希望どおりの最期を迎えさせるには、信頼できる医療関係者はもちろんケアマネージャーとのチームプレーでサポートすることが必要不可欠です。
親の体が一日一日衰弱してくると水分や栄養が自力でとれなくなってきます。
そんな時、点滴や胃ろうをするのか、苦しくて辛そうなときは救急車を呼ぶのか呼ばないのか、など親を交えて全員で話し合い、計画を立てておくことが大切ですね。