【長生き・医療リスク】どうする?自己負担が増える老後の医療費

今年の8月、70歳以上の高齢者の医療費の負担が見直されたのをご存知でしょうか?どのように変わったのか簡単に説明しますね。

これまでの健康保険制度は、「負担するのは現役世代で、給付を受けるのが高齢者」という構造だったのですが、高齢化社会などの原因によってそのバランスが保てなく、保険制度自体が持ちこたえられなくなってきたのです。

では、どのように見直されたのでしょう。

そこで負担・給付を全世代型の社会保障にしていくために、年金などの一定額を超える70歳以上の高齢者の負担が引き上げられたのです。
そのひとつが「健康保険の高額療養費の自己負担限度額」なのです。

高額療養費とは?

高額療養費とは、高齢になって医療費負担が家計の重荷にならないよう1ヵ月に患者さんが支払う自己負担分に上限を設けた制度です。

つまり、大きな手術などで医療費が高額になってもその限度額を超えた金額は自己負担しなくてもいいのでありがたかったのですが、今回の見直しでその自己負担限度額が引き上げられて負担が増えてしまう人が出てくるのです。

高額療養費の自己負担額の比較

70歳以上の人の高額療養費の限度額は、「通院のみ(個人単位)」「通院と入院の両方した場合(世帯単位)」の2つあります。

限度額は、所得によって4区分に分類されています。
「低所得者Ⅰ」「低所得者Ⅱ」「一般所得者」「現役並み所得者」。このうち、今回負担増となったのは、一般所得者と現役並み所得者です。

収入で見てみると、
一般所得者は住民税が課税されている世帯で年収が約370万円までの人。
現役並み所得者は、年収約370万円以上の人です。

では、通院時の医療費が月100万円かかったケースで比較してみるとこうなります。

自己負担増限度額はいくら?

●一般所得者(年収約370万円までの人)の限度額は・・・
月1万2,000円から → 2017年8月に 1万4000円に → 2018年8月からは、月1万8000円に引上げらることになり、月4000円の負担増となります。

●現役並み所得者(年収約370万円以上の人)の限度額は・・・
これまで月4万4000円だった通院時の限度額が、今月8月からは月5万7600円にアップ。

さらに2018年8月からは、通院のみの計算がなくなり、通院と入院の両方をした場合のみの1本になりました。

年収約370万円~約770万円の人は → 8万7430円
年収約770万円~約1160万円の人は → 約17万円
年収約1160万円以上の人は → 約25万円

に引き上げられるのです。

つまり、高所得者層はこれまで4万4400円だった高額療養費の限度額が、一気に約9万円~約25万円まで増えることになるのです。

こうなると高齢の親の医療費の自己負担は増えるばかりで、誰もがこれから将来、不安に思えてならないだろう。

自己負担が増える医療費の備えと対策

医療費の備えとして思いつくのは、「民間保険会社の医療保険」があります。

しかし、高齢期になってからの民間保険への加入は、とても難しくなり、病歴や持病によっては加入を断られることもあります。
もちろん、持病があっても加入できるタイプもありますが、割高になるのも事実です。

たとえば、ある保険会社の例でいうと、入院日額が1万円がでる医療保険に70歳の男性が加入した場合、月払い保険料は約1万6000円となり、1年間では約19万円にもなります。

今回、高齢者の高額療養費の見直されて自己負担が増えるといってもすべての人にあてはまるわけでなく、引上げの対象になったのは高所得者層です。

つまり、ある程度のお金を蓄えられている方なら、賄えない金額でもないという判断もできますのでよけいな心配はいらないのかもしれません。

そこで医療費の備えとしてお勧めしたいのが、「医療費貯蓄」です。

医療費専用の銀行口座をつくって貯蓄しておき、いざ、まとまった医療費が必要になったら、引き出してつかうという方法です。

高齢になると数十年前に加入していた養老保険などの満期金が入ることなどもありますのでそれらをそっくり貯蓄しておくことで、新たな保険に加入する必要性もなく、十分に医療費を賄うことができるのです。

高齢期の医療費の備えとしては、「貯蓄」を中心に考えていきましょう。

たった「70円」で防げる「薬による健康被害」

>薬のたくさん入ったケースの写真

私の両親も高齢になり、いくつもの医療機関を受診しています。

心臓や腸、高血圧や糖尿、膝・腰などの病院に通っていてそれぞれに処方された薬の数々、どれか一つ飲み忘れてもわからないほどあることに驚きです。

今では、この薬の飲み合わせが良くなかったり、飲み合わせが悪かったりすると「精神不安」「認知機能の低下」などの健康被害を引き起こしてしまう人が多いのです。。

でも最近では、その健康被害を防ぐ頼りになるものがあります。

それが、「かかりつけの薬剤師による服薬支援」です。

服薬支援とは?

患者さんが指名した薬剤師さんが通常の服薬指導加えて、残薬のチェックや後発医薬品の情報提供、薬歴の管理など、薬を服用している状況を継続的に把握をしていてくれて24時間いつでも相談に応じてくれるというのです。

そしてかかりつけの医師の先生に対しても処方内容の確認や提案もしてくれるので「多剤投与」といった薬のまとめ飲みから生じる「健康被害を減らせる可能性」もあるのです。

で、その服薬指導の料金はというと、指名、相談などで「1回 700円」
75歳以上の1割負担の人なら、たったの70円で手間もかからず、薬の多剤投与に対処できるのです。

通常は、自己負担額が約40円なので1回あたり約30円ほど高くはなってしまいますが、老親をもつ多剤投与に悩んでいる人にとっては、なんでも相談できて、健康被害を防げますのでコストパフォーマンスは、悪くはないと思います。

「薬の多剤投与」にどう対処する?

多剤投与とは、高齢になった人が、内科に通いながら、膝や腰痛などで整形外科に通い、そしてアレルギーなどで皮膚科にか通ったりすると良くあることですよね。

その時にたくさんもらってくる薬を飲むことは、高齢の親にとっては大変ですし、どれを飲んだか忘れてしまったり、大変でとても辛い作業だと聞いています。

そん時に役立つのが、かかりつけの薬剤師さんに24時間いつでも次のような「服薬支援」をお願いできるのです。

▽薬の重複がある場合
・・・医療機関と連携して管理してくれます。

▽危険な飲み合わせがある場合
・・・副作用の情報をまとめて把握できます。

▽飲み忘れがある場合
・・・飲み残しを整理してくれます。

▽飲みすぎの場合
・・・24時間いつでも相談に応じてくれます。

このように親の薬の投与については、自分で管理したり、身内が管理すれば、出費はありませんが、手間がかかります。
しかも危険な飲み合わせが原因で副作用がでたりしても対処法がわかりません。

そう考えれば、70円ほどのお金はかかりますが、手間がかからず、副作用などの心配をすることもなく、健康被害を防ぐことができるなら、大変お得だと思います。

あなたら、どちらを選択いたしますか・・・・・。

がんが治っても認知症になることも・・・

高齢者にとって「がん検診」には、デメリットがあるってご存知でしたか?

たとえば、がんの疑いがあって精密検査を受けてもがんは発見されず、心身ともに負担だけが残ってしまう「偽陽性」というものや、生命に影響のないがんを発見する「過剰診断」というものがあります。

実際、検診でみつかるがんは、「上皮内がん」というほとんど進行がんにならないがんが多いです。
最近では、胃や大腸ならほとんどが内視鏡で簡単に切除するのが主流ですが、この上皮内がんが乳腺に見つかった場合は、乳房の全切除になってしまいます。

これが高齢者の場合、肉体的にも精神的にもこの手術に耐えられるかが問題なのです。

80歳を超える、一度手術をして一週間もベッドに寝ていると起きれなくなるとも言われます。
さらにこのようなことが精神的なダメージとなり、なんと「認知症」を引き起こす原因にもなってしまうのです。

つまり、がんの手術に成功してもそのストレスによって「認知症になるリスクが高くなる」というわけです。

仮にこれが進行性のがんなら、いずれ寿命が先に尽きるとことが考えられるし、わざわざ検診を受けなくても症状が出てくるのでわかります。

この辺をしっかりと理解したうえで親のことを見守ってあげることが大切です。

がん検診を受けるかどうかの目安としては、75歳前なら、がん検診を受けられてもよいと思いますので参考にしてみてくださいね。

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